こんばんは☆
札幌市豊平区にある「さっぽろプロケア歯科クリニック」歯科衛生士の政岡です。

今日はタバコと歯周病の関係についてお話ししますね。
タバコは「百害あって一利なし」といわれるほど、さまざまな病気の原因となっています。
歯周病の発症後、「あっという間に進行した」「治療しても改善しない」という方は、タバコが影響しているかもしれません。

★「タバコの三悪」は体にどのような影響を与えるのでしょう?

①ニコチン… ニコチンは、タバコの葉に含まれる毒性の強い物質です。即効性が強く、脳に広く影響を与えることにより、依存症を引き起こす原因にもなっています。煙を吸い込むだけでなく皮膚からも体内に吸収されるため、タバコを吸わない人にも影響が及びます。



②タール… タールは、タバコの葉が燃える際に発生する黒褐色の液体で、歯の表面に付着する「ヤニ」として知られています。粘質性が高く、水にほとんど溶けないため、歯面や気管、気管支、肺などに沈着すると、体外に排出されにくくなります。

③一酸化炭素… タバコの葉が燃える際、酸素不足により不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生します。一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合しやすい性質のため、急激に摂取した場合、血液が十分な酸素を運搬することができなくなって酸欠状態に陥ります。

★ では、歯周病とはどんな関係があるでしょうか?

歯周病はお口の中の細菌感染が原因で発症します。
ニコチンやその他の有害物質が体内に取り込まれると、免疫力が低下することで細菌感染による炎症が起こりやすくなります。
また、ニコチンの血管収縮作用や一酸化炭素によるヘモグロビン濃度の低下により、歯周ポケット内の酸素分圧が低下すると、嫌気性の歯周病原菌が繁殖しやすい状態になります。

歯周病菌は酸素が嫌いなので、どんどん歯周ポケットの中に入り込むことで骨を溶かして進行します。タバコが歯周病を進行させる手助けをしてしまうのです。

★ 禁煙を行うとどのような効果があるのでしょうか?

タバコをやめると、すぐに歯周組織にいい影響が現れます。数日後には、歯肉の血流の量が増えるほか、炎症に伴い歯肉溝から分泌される歯肉溝浸出液が減少しはじめます。それにより、歯周病治療を行った後に治癒が見られるようになって、歯周組織の破壊を抑えることができるのです。

禁煙することで身体の中で一番最初に効果が現れるのが「口腔内」と言われています。
タバコをやめた直後から血流量が増えて歯周病の炎症と戦おうとするのです。

いきなり禁煙は難しいかもしれませんが、減煙するところから始めてみてはどうでしょうか?

投稿者: さっぽろプロケア歯科クリニック