こんにちは。札幌市南区にあります、ときわプロケア歯科クリニック 歯科医師の今多です。今回は、歯科と認知症についてお話したいと思います。

 皆さん認知症についてはご存じかと思います。現在日本で認知症に罹患している人は500万人弱いると言われています。65歳以上の高齢者人口は約3600万人と言われておりますので、大まかに計算すると高齢者の7人に1人は認知症と言えるかもしれません。日本は今後、さらに高齢者人口の割合が増えていくと言われていますので、認知症の患者さんを診る機会はどんどん増えていくと考えられます。そんな認知症と歯科にまつわるお話を、日本訪問歯科協会のHPを参考にご紹介していきます。

 認知症の方の特徴として、症状が重いほど口の中の状態が悪いという報告があります。つまり、噛むことができない人ほど認知症の症状が重い傾向があるということです。噛むことによって脳への血流量が増え、脳の働きを活発化させます。よく噛むことが、認知症の発症の予防の一つの鍵であると予想されています。また、よく噛むことができれば多くの食材を食べることができ、それは健康に必要な栄養素を充分に摂取することにつながります。

 では、噛むことで得られる効果とはどんなものでしょうか。その一つに転倒防止効果があると言われています。スポ―ツをしているとき、重いものを持ち上げるとき、力を入れて作業をするとき、無意識のうちに歯を食いしばると思います。入れ歯を入れているときはそんなことないのに外すと躓きやすくなるということも、上下の歯がかみ合わないために踏ん張りがきかないことを示唆しています。

 それでは、そんな噛むことを助ける口腔ケアについてご紹介します。口腔ケアは3つの要素からなっており、①口腔衛生、②口腔機能の向上、③口腔環境の維持・改善 です。口腔ケアを行う場合、この①~③のどれを対象にするのか、そしてどのような目的をもって行うのかが重要になってきます。

 患者さんの自立度(ほぼ自立、部分介助、前介助)に応じて口腔ケアをどの程度介入するか変わります。ほぼ自立している方に対しては、セルフケアにプラスして、デンタルフロスなどの補助用具での指導を行い①衛生 を維持または改善していくことを目的とした介入となります。

 部分介助の方に対しては、セルフケアだけでは足りない部分の仕上げ磨き等の①衛生 へのアプローチに加え②機能(咀嚼、嚥下、発音) へのアプローチが必要となってきます。

 全介助の方に対しては、まず③環境 の確保を行い、そのうえで①衛生、②機能へのアプローチを考えます。例えば口腔乾燥がある患者さんでは、そのままでは清掃は困難なため、常時の保湿状態という環境づくりから始まります。このように、口腔ケアで介入することにより噛むことのサポートをすることで認知症の症状悪化を防ぐ助けとなります。

いかがでしたか。認知症は予防法や治療法が確立されていない病気です。上手に付き合っていくことが現状では大事なのではないでしょうか。それではまた次回です!レッツビー歯ッピー!

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