う蝕の原因について その2(時間)

こんばんは、札幌市南区にあるときわプロケア歯科クリニック 歯科医師の今多です。前回は、4つあるう蝕の原因のひとつである細菌についてお話しました。

今回は、う蝕の原因のひとつ「時間」についてお話します。

う蝕の発生・進行は比較的緩慢です。但し、その進行速度は状況によって異なります。その差は、次の2つの要因が考えられます。

  1. う蝕原因菌が利用可能な栄養素(=細菌のエサ)を摂取する機会が多いか少ないか
  2. う蝕原因菌が歯に接する可能性のある時間の長さの違い

たとえば、甘いものを間食で、しかも高頻度で食べている場合… 当然細菌のエサを摂取する機会は増えますね。そして、前回お話した不溶性グルカンが出現する可能性も高まり、細菌が歯に接する可能性のある時間も長くなります。

更に、お口の中が不潔になり歯に大量のプラークが長期間付着していると、それはもう細菌にとって天国となるわけです。う蝕を発生させることはもちろん、進行速度を加速させる環境を生み出すのです。

逆に言えば、細菌のエサを摂取する機会が少ないこと(=間食しない、または間食の回数や時間を決める)、細菌が歯に接する可能性のある時間を減らすこと(=定期的な歯ブラシ・クリーニング)によってう蝕の発生を抑えることができるわけです。

う蝕は、基本的に急速には進行しません。だからこそ、「時間」の観点が大事になってきます。気が向いたときにおやつを食べていませんか?夜寝る前に歯磨きしないで寝てしまっていませんか?細菌のエサがお口の中にある時間を減らし、細菌が歯に接する時間も減らすことでう蝕を予防し、健康なお口を維持していきましょう!

次回は、う蝕の原因 その3(飲食物)についてお話します(^ω^)

 

う蝕の原因について その1(細菌)

こんばんは!札幌市南区にある、常盤プロケア歯科クリニックの歯科医師 今多です!

歯医者さんと言えば、と聞かれてすぐ思い浮かぶもの。そう、虫歯ですね!今回から何回かに分けて、虫歯=う蝕の原因についてお話ししていきます。

う蝕の原因は、実はさまざまな要因が絡み合っています。その要因とは…

  • 細菌
  • 時間
  • 飲食物
  • 宿主

の四つです。

今回は、う蝕の原因のひとつである、細菌についてみてみます。

う蝕は、歯垢(デンタルプラーク)の中に潜んでいます。歯垢は、歯の表面のうちの狭いところや凹んだ部分に溜まりやすいのですが、つまりその部分がう蝕の好発部位(う蝕にかかりやすい部位)でもあるのです。

歯垢には何種類もの細菌が潜んでおり、その中でう蝕に大きく関係している細菌がいます。それが…

  1. ミュータンス菌(Streptococcus mutans)
  2. 乳酸菌群

なんです。

1.ミュータンス菌

ミュータンス菌については、TVCMなどで名前を聞いたこともあるかと思います。この細菌がう蝕の主犯格です。この細菌には、他の歯垢に潜んでいる細菌には無い特殊能力があります。それは、

「砂糖を利用してねばねばした物質をつくり、歯にくっつく足場をつくる」

ことです。

つまり、お口の中にある砂糖を取り込み、ねばねばした物質(「不溶性グルカン」といいます。)を作り出すことで歯の表面にへばりつくようになるのです。へばりつくのは、ミュータンス菌だけではありません。他のう蝕を進行させる細菌も便乗してへばりついてきます。この「不溶性グルカン」の不溶性というのは水に溶けないという意味です。言い換えると、唾液で溶けないので、歯の表面に作り出されても流れずに残ることを意味します。

さらに、ミュータンス菌は砂糖を利用して酸も作り出します。う蝕になって歯に穴があくのは、この酸の仕業なのです。酸が歯を溶かすんですね。

2.乳酸菌群

次にう蝕の原因として挙げられるのが、乳酸菌です。乳酸菌と言えば、ヨーグルトなどに含まれていて「腸ではたらく乳酸菌」などのTVCMのフレーズでおなじみですね。

ヨーグルト食べたら虫歯になる!

…と思ったあなた、ご安心ください。乳酸菌にも種類が様々あるんです。お口の中にもともと潜んでいる乳酸菌がう蝕の原因であって、ヨーグルトにいる乳酸菌はう蝕の原因とはなりません。但し、ヨーグルト(特に加糖)を食べてその後に全然歯を磨かない、なんてことになれば当然虫歯にはなりますのでご注意を!

さて、この乳酸菌、歯にとってどのような悪さをするのでしょうか。それは、乳酸菌の高い酸産生能力にあります。ミュータンス菌の作ったねばねばに便乗して歯の表面にくっつき、強力な酸を産生することでう蝕の進行を促進します。ミュータンス菌が作ったとっかかりを利用して乳酸菌が更に進行を進めるのがう蝕の進行パターンです。

 

いかがでしたか?今回はう蝕の代表的な原因細菌をお伝えしました。次回は、う蝕の原因 その2(時間)編をお送りしたいと思います。おたのしみに!

歯医者さんでよく見る疾患

こんにちは、札幌市南区にあるときわプロケア歯科クリニック 歯科医師の今多です!

今回は、「歯医者さんでよく見る疾患」についてお届けします!歯医者さんで扱う疾患は様々ですが、今回は代表的な物をご紹介します。では早速いってみましょう( ^ω^ )

歯医者さんでよく見る疾患は…

  1. う蝕
  2. 歯髄炎
  3. 根尖性歯周炎
  4. 歯周病

ざっとこんなところでしょうか。それぞれを詳しく見ていきましょう!

1.う蝕

  う蝕とは、つまり虫歯のことです。虫歯の原因菌によって歯が侵され溶けていきます。

  う蝕がエナメル質に留まっているときは痛みはでませんが、象牙質まで到達してしまうと次第にしみる症状や痛みが出てきます。

  こう見ると、う蝕ではなかなか痛みが出ないことが分かりますね!でも、痛みが出ないからと言って油断してはいけません。

  油断して、う蝕が歯髄に到達してしまうと…なにもしてないのにズキズキ痛むあの痛みが出てきてしまいます( ̄◇ ̄;) この症状が歯髄炎です。

エナメル質や象牙質、歯髄についてはこちらに詳しく書いてあります!

歯の構造について

2.歯髄炎

  う蝕の進行によって、細菌が歯髄(神経)に感染して起こるのが歯髄炎です。

  細かく見ると歯髄炎の原因は他にもありますが、今回は割愛します(^^;;

  この歯髄炎はとても痛いです。たかが「歯」と侮ってはいけません。寝ても覚めても痛いです。というか痛みで寝ることすらままなりません。しかも神経はまだ生きているのでしみます。痛み止めを飲んで直ぐにかかりつけの歯科医院で処置(神経を抜く治療)してもらいましょう。

3.根尖性歯周炎

  歯の根の先に膿が溜まって病巣を作るのが根尖性歯周炎です。レントゲン写真を見ると、根の先に黒く丸い影が確認できます。

  原因は大まかにわけると

  • それまで生きていた歯髄がなんらかの理由で死んでしまい細菌が繁殖することによって根の先に膿が溜まる場合
  • 神経の治療後数年〜数十年経って根の先に細菌が繁殖することによって根の先に膿が溜まる場合

が、挙げられます。

  この根尖性歯周炎は症状が出る時と出ない時があります。症状が出る時は、歯髄炎に勝るとも劣らない痛みが襲ってくることもあります。但し、こちらは歯髄炎と異なり神経が死んでしまっているのでしみることはありません。痛みのピークを過ぎると、歯茎の根の先の方にぷくっとした腫れが出来ます。これ、体が根の先に溜まった膿を体の外に出そうとする防御反応によるものなんです。

  症状が出ないときでも、前述のようなぷくっとした腫れが出来てることがあります。疲れた時や体調が悪い時に特定の歯だけ病む感じがあったりした場合は要注意ですね。

  歯の根の中で細菌が繁殖したことが原因ですので、根の治療が必要になります。歯髄炎と同様、痛みが激しい場合は痛み止めを飲んでかかりつけの歯科医院で処置をしてもらいましょう。  

4.歯周病

  歯周病は、今までご紹介してきたものとはちょっと異なます。歯周病もう蝕と同じく細菌が原因ですが、その種類が異なります。その歯周病の原因菌は歯石の中にたくさん潜んでいます。

  歯周病では、歯肉が腫れたり歯ブラシすると出血しやすくなったりします。更に進行すると歯槽骨が溶けて(吸収されて)、歯がグラグラと揺れたりひどい時には自然に抜け落ちてしまいます。ちなみに歯周病が進行している人は口臭もするようになります。

  う蝕になりにくい人がこの世には存在しますが(うらやましい!)、前述の通り歯周病の原因菌は別物なので油断してはいけません。歯の喪失原因は、歯周病が第1位(42%)ですから。ちなみにう蝕は第2位(32%)なので、両者合わせると全体の3/4にもなります( ̄◇ ̄;)

  歯周病は基本的に進行が遅いので、自分ではあまり気付きにくいかもしれません。だからこそ、定期的に歯科医院に通い、歯石とりやクリーニングをしてもらうことが重要になってきます。歯ブラシの方法も教えてもらえますよ( ^ω^ )

  いかがでしたか?ざっくりとですが、歯医者さんでよく見る疾患についてご紹介しました。歯医者さんで扱う疾患はまだまだありますが、それはまた別の機会にご紹介します!

  次回は、「う蝕」についてもう少し掘り下げてお伝えしていきます!お楽しみに( ^ω^ )

歯周組織について

こんにちは、札幌市南区にあるときわプロケア歯科クリニック 歯科医師の今多です。

今回のお題は「歯周組織について」です!皆さんTVCMなどでよく「歯周病」って聞くと思いますが、それは、歯周組織に起こっている病気なのです。

では、歯周組織とは一体なんなのか…?
それは、歯肉・歯槽骨・歯根膜・セメント質の4種類から成り立っています。では1つひとつ簡単に解説していきます。

  1. 「歯肉」は、いわゆる歯茎です。これはイメージしやすいですよね。次にお話しする「歯槽骨」の表面を覆っています。
  2. 「歯槽骨」は、顎の骨の中で特に歯が植わっている部分と考えて貰えるといいかと思います。
  3. 「歯根膜」は、歯と歯槽骨の間に存在する、クッションの様な役割を果たす組織です。この「歯根膜」があることで、歯を噛んだ時の衝撃から守ってくれます。「歯根膜」は、「歯槽骨」と「セメント質」に入り込んでお互いを結びつけています。
  4. 「セメント質」は、歯根の表面を覆っています。前回のおさらいですね!

いかがでしたか?普段TVCMなどで耳にする歯周病。実はこれらの組織が歯周病菌に侵されてなる病気なんです。

次回は、「歯医者さんでよく見る疾患」についてお送りしたいと思います!お楽しみに( ^ω^ )

歯の構造について

こんばんは、札幌市南区にあるときわプロケア歯科クリニック 歯科医師今多です。

今回の歯の豆知識は、「歯の構造について」です!

歯は、大まかに歯冠と歯根とに分かれます。歯冠とは、お口の中に出ている、皆さんがよく見る歯の部分です。歯根とは、歯茎と骨の中に植わっている歯の根の部分です。

まず、歯冠の構造についてご紹介します。
歯冠は、外側からエナメル質、象牙質、歯髄という組織で成り立っています。

エナメル質は、人体で1番硬い組織です。よく歯磨き粉のテレビCMでフッ素(フッ化物)が取り上げられますが、そのフッ素が取り込まれるのはエナメル質の表面です。

象牙質は、エナメル質の裏打ちをなしています。象牙細管という歯髄に繋がる細い管が連なっており、エナメル質が何らかの理由で削れて象牙質が露出すると、知覚過敏の原因となります。

歯髄は、歯に栄養を供給する血管や神経が通っている部分です。虫歯が進行して歯髄が感染してしまうと、何もしなくてもズキズキ痛んで、痛み止めが無いと我慢できない!なんて状況になる場合がありますが、これを歯髄炎と呼びます。

次に歯根の構造についてご紹介します。
歯根は、外側からセメント質、象牙質、歯髄という組織で成り立っています。歯根では、歯冠でいうエナメル質の代わりにセメント質という組織が一番外側を覆っています。セメント質は、歯根膜と呼ばれる歯を安定させるための組織を埋め込んでいます。

次回は、歯の周囲の組織、いわゆる歯周組織についてご紹介します!

お楽しみに(^^)

歯の豆知識ブログスタート!

こんばんは、札幌市南区にあるときわプロケア歯科クリニック 歯科医師の今多です。

歯の豆知識ブログ開設です!
記念すべき第1回目のお題は…
「歯の本数」です!
皆さん、ご自分の歯が何本あるかご存知ですか?最近は8020運動などもよく耳にするので、20本以上あるのは予想できるのではないかと思います。

さて、正解は…
28本(32本)です!
ヒトの歯は上下左右7本(8本)ずつ生えているんです。
()は親知らずですね。親知らずは真っ直ぐ生えて噛み合わせに参加する場合もあれば、斜めに生えて噛み合わせに参加しない場合、はたまた生えてこないこともあります。

ちなみに乳歯は20本です(上下左右5本ずつ)。

いかがでしたか?正確にご自身の歯の本数を把握できていたでしょうか?
1本も歯を失っていない方もそうでない方も、日々のご自宅での歯磨きと定期的な検診で、健康な歯を保っていきましょう!