「虫歯になりやすい」

「歯ぐきが弱い」

「口臭がする気がする」

というのは、今まで感覚に頼っていて、曖昧なものでした。

「虫歯のなりやすさ」「歯ぐきの弱さ」「口臭」などを

簡単に数値化することができなかったからです。

 

例えば、糖尿病は「あなたはきっと糖尿病です」という

予想で医師に診断はされませんよね。

それは糖尿病の定義がしっかり定まっているからです。

早朝空腹時血糖値 126mg/dL以上

HbA1c  6.5%以上

などの数値を用いた基準から診断されます。

 

あまり知られていないのですが「虫歯」も「歯周病」もお口の病気です。

だからこそご自身の口腔内の状態を数値にして知っておきたいですよね。

 

歯周病は「気がつかない病気」とも言われています。

虫歯は進行すると痛みが出てくるため、

反射的に「これは治さなければいけない」と思うはずです。

しかし歯周病は痛みがないため、なかなか気がつかないのです。

実は、20代では約20%、30代の方は約30%の方が歯周病に罹患しています。

 

その中で歯周病だと自覚している人はどの位いるでしょうか。

「血が出ていないから歯周病じゃない」

「歯ぐきが痛くないから歯周病じゃない」

そんな簡単な問題ではないのです。

血が出ていなくても歯周病は進行する場合はありますし、

歯ぐきが痛くなくても歯周病にかかっている場合があります。

それが「気がつかない病気」と言われている所以です。

 

そのため、当院で行っている唾液検査では

「タンパク質」と「白血球」2点から歯周病の有無を調べます。

 

炎症が起きている歯ぐきには出血があることが多く、

体はその炎症を治そうとすると「白血球」の分泌が増加します。

また、歯垢(プラーク)の影響で唾液中の「タンパク質」は増加します。

この2点を基に歯周病の有無、歯周病のリスクを数値で可視化できるため

唾液検査は有効な歯周病判断の有効な手段の1つと言えるでしょう。

 

⇓実際の唾液検査の診断結果

SMT (lionshop.jp)より引用

 

 

唾液検査では「虫歯のかかりやすさ」も数値化して見ることができます。

 

虫歯のなりやすさの項目として

「虫歯菌」

「酸性度」

「緩衝能(かんしょうのう)」

の3つがあります。

 

「虫歯菌」は口腔内に(合わなくなった詰め物、被せもの)があったり

磨き残しが多かったりすると数値が大きく出る場合もあります。

 

「酸性度」「緩衝能」に関しては唾液の性質を表すものになります。

レモン汁や炭酸水などで歯が溶けるということを

聞いたことがあるかもしれません。

酸性度は唾液が歯を溶かしやすい性質を持っているかを表してくれます。

緩衝能は、歯が溶けやすい状態(お口の中が酸性)から

中性やアルカリ性の状態に戻してくれる力のことを表しています。

 

虫歯菌自体が少なくても「酸性度」「緩衝能」が

虫歯になりやすい状況にあれば定期健診は必須です。

 

マスクをしていて、口臭が気になる方は

口臭も数値化して見ることができるので

口腔内のリスクと合わせて検査してみるのも良いですね。

 

今は「病気になる前に防ぐ」予防の時代です。なってからでは遅いのです。

そのために、身体だけではなくお口の定期健診も必須です。

自分の判断で定期健診にいかなくてもいいと思っている方は

唾液検査を通してご自身の口腔内のリスクを数値で知ることが

定期健診に通うための後押しになればと思います。

投稿者: さっぽろプロケア歯科クリニック