う蝕の原因について その4(宿主)

こんにちは、札幌市南区にあるときわプロケア歯科クリニック 歯科医師の今多です。前回は、4つあるう蝕の原因のひとつである飲食物についてお話しました。

今回は、う蝕の4つ目の原因である「宿主」についてお話します。

まず「宿主」って何?といいますと、う蝕に関していえば「人」です。私たち一人ひとりが外見や性格が違うように、虫歯になりやすいかどうかも変わってくるのです。

「宿主」の要因では何が違うのか?それは、次の4つが考えられています。

1.唾液の性質

2.歯の性質

3.歯周疾患の影響

4.性別

では、ひとつずつ見ていきましょう。

1.唾液の性質
唾液には、細菌が作った酸の働きを弱める「緩衝能」という性質や、唾液中のカルシウムを歯に再び取り込ませる「再 石灰化」という性質、また口の中の細菌の活動を
抑える「免疫作用:抗菌作用」という性質などを持っています。う蝕になりやすいかどうかを唾液で検査する時は、唾液の分泌能力や緩衝能が指標になることが多いようです。
つまり、唾液の分泌量が多く、緩衝能が高い人ほどう蝕になりにくいということになります。
唾液は、口の中に当たり前にあるように思えますが、加齢やお薬の影響でその分泌量が減少することがわかっています。

2.歯の性質
歯は、まっ平な形ではありませんよね。溝があります。その溝の深さも人によってまちまちです。溝が深~い人だと歯ブラシの先が届かずお掃除がうまくできないために
歯ブラシをがんばっていてもう蝕になってしまう場合もあります。
一番重要なのは、歯が生え始めてからの期間です。歯が生え始めた頃は、歯が柔らかく虫歯になりやすいんです。ちょうど脱皮したてのエビとかカニみたいに…。
永久歯は、生え始めてから2~4年がう蝕になりやすさのピークなのです。

3.歯周疾患の影響
中高年になると、歯周疾患が進む人が増えてきます。歯周疾患が進行すると、歯根(歯の根の部分)が出てきます。よく言う「歯茎がさがった」状態ですね。歯の根の
部分は、う蝕に強いエナメル質ではなくセメント質に覆われています。ですので、たとえば唾液の量が減ったのと相乗効果でう蝕になりやすくなるともいえます。

4.性別
永久歯のう蝕は、女性が男性よりも高度であることがどの調査でも示されています。 これは、女児の歯が同年齢の男児よりも早く生え始めるからと考えられています。

いかがでしたか?患者さんの中には一生懸命歯をみがいているのにう蝕にかかってしまう人もいれば、たいして歯磨きの仕方を気にしていなくてもう蝕にかからない人も
います。その差は、もしかしたら上記の何かが原因かもしれません。前者の人も、後者の人も一度唾液検査をしてご自身の唾液の性質がどんなものか調べてみてはいかが
でしょうか?

歯が抜けてしまう、こわい歯周病とは?

札幌市南区にあります、ときわプロケア歯科クリニックのデンタルコーディネーターの鎌田さやかです。

ある日突然、歯がポロリと抜けてしまう歯周病は、身近で厄介な病気です。大した自覚症状がないまま進行してしまうのも恐ろしく、成人の約80%が罹患しているというデータがあるほど・・・。

歯を失う原因の第1位も、実は虫歯ではなくこの歯周病なのです。
歯周病とは、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。


むし歯になりにくく、歯が丈夫と自信のある方でも要注意!!!歯を支えるあごの骨が溶けてしまう病気なので、虫歯とは全然違います。その主な原因は、ずばりプラークとも呼ばれる歯垢です。

日本語では「歯の垢」と書くため、単なる汚れのイメージがありますが、歯垢は食べかすなどによって増殖する細菌のかたまりなのです。

歯垢は付着力が非常に強く、歯と歯グキの間のわずかな隙間、いわゆる歯周ポケットに潜みがち。そして付着後、24時間ほどで毒素を出すようになり、歯グキに炎症を起こさせるのです。

こうした炎症の行きつく先が、問題の歯周病。初期症状は「歯グキが腫れぼったい」程度のものですが、放置すると歯の周囲の組織が破壊され、結果として支えを失った歯は、1本また1本と抜け落ちていくのです。

さらにたまった歯垢は約2日で唾液中のミネラルと結びつき、硬い歯石に変化します。歯石は通常の歯磨きでは取り除けないため、余計に歯垢がたまりやすくなり、お口の中の環境は悪くなる一方です。

また、糖尿病による免疫力の低下や、骨粗鬆症による骨密度の低下、喫煙による口内環境の悪化なども、歯周病を進行させる要因となります。日頃から栄養バランスに気を配り、規則正しい生活を送ることは、歯周病予防の観点からも重要です。

さらに歯周病は認知症や誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)、心筋梗塞などとも関係が深く、放っておくと全身の不調を呼びかねません。

すこやかな毎日を過ごすためにも歯周病の原因を知り、歯医者さんでしっかりとケアをして予防しましょう!