血をサラサラにする薬を飲んでいる患者さんの処置

こんにちは!札幌市南区にあるときわプロケア歯科クリニック 歯科医師の今多です。

 

今回は「血が止まりにくい薬を飲んでいる患者さんの観血的処置」について取り上げてみようと思います。

 

「血が止まりにくい薬」というのは、よく言う「血をサラサラにする薬」と言い換えられます。「血をサラサラにする薬」は様々な疾患が原因で多くの方(数百万人とも言われています)が服薬しているのが現状です。

 

「血をサラサラにする薬」というのは専門用語でいうと抗血栓薬(抗凝固薬と抗血小板薬)と言います。簡単に言うと、血栓(血の塊)ができにくくする薬です。例えば、血管に血の塊が詰まってしまうと、血管の位置によって脳梗塞や心筋梗塞を惹き起こします。一度これらの病気に罹った人は、再発するのを防ぐために抗血栓薬を服用していることが多いです。

 

では、抗血栓薬と歯科治療とはどんな関係があるのでしょうか。

歯科治療は、出血量こそ少ないですが観血的処置(=血が出る処置)が多いのが特徴です。抗血栓薬を飲んでいると、飲んでいない人に比べて血が止まりにくくなります。例えば抜歯後になかなか血が止まらないということが考えられます。こういった理由から、抗血栓薬を服用している患者さんに対して抜歯等の観血的処置を施す場合は、服薬を中断してもらうことが一般的だった時期がありました。しかし処置日を含む数日間、抗血栓薬の服用を中止した結果、脳梗塞発症のリスクが3倍に上昇したり、血栓塞栓症(=血の塊が血管につまること)が生じたりといった弊害が報告されるようになりました。

 

それらの報告を受け、日本循環器学会のガイドラインに「抜歯時には抗血栓薬の継続が望ましい」と明記されるに至りました。1本の歯の抜歯と、脳梗塞を天秤にかける(お薬を止めることによるメリットとデメリットのバランス)と、この流れは当然と言えます。

 

ということで、抗血栓薬を服用している患者さんに観血的処置を施す場合でも、基本的にお薬はお休みしません。しかし、血が止まりにくいのは程度の差こそあれ否定できません。抜歯を例にとれば、通常の抜歯では歯を抜いた後は圧迫すれば基本的に止血は完了しますが、抗血栓薬を服用している患者さんでは止血剤(体に吸収されます)を抜歯窩(=抜歯後の穴)に詰め、縫合し、そのうえで圧迫する必要があります。また、診療室で止血したと判断して帰宅していただいた後に、だらだらと血が滲んでくるということも可能性としてあり得ます。

 

診療室では、健常な方の処置にも気を付けていますが、こういったお薬を服用している患者さんの処置にもしっかりと気を付けて治療を行っています。安全に治療を行うためにも、お薬手帳は忘れずに持参してくださいね。

 

歯周病の検査

こんにちは、ときわプロケア歯科クリニック、デンタルコーディネーターの中村です。

現代の日本人の中高年層の約8割は歯肉に何かしらの問題をかかえていると言われています。

歯周病は成人が歯を失う原因のナンバーワンなのです。

歯医者さんに行ったことのあるほとんどの方は歯周病の検査をされたことがあると思います。

どんなことをしているのか?何を診ているのか?本日は歯周病の治療を適切に行うために必要な検査についてお伝えします。

 

☆ 歯周ポケット検査

プローブという目盛りの付いている器具で、歯と歯肉の隙間の歯周ポケットの深さを測り、歯周病の進行度を調べます。

健康な歯肉は3mm以下、4mm以上になると歯周病の可能性があります。

 

☆ 出血・排膿の有無

歯周ポケット検査を行ったときにポケットから出血や排膿することがあります。

出血や排膿する部分は歯肉に炎症があり、ポケット内に歯周病菌が多いという証拠になります。

☆ 歯の動揺度

ピンセットで歯を動かし歯の揺れの度合いを調べます。

歯周病が進行すると歯を支えている骨が溶けて歯がグラグラと動いてきます。

当院ではこれらの検査を行い、歯垢や歯石の付着状況や歯周病の進行度を調べ、患者様に検査結果をお伝えして、一人一人に合わせた歯周病治療を行っています。

最近の研究によると歯周病が糖尿病・認知症・メタボリックシンドローム・心血管疾患・内臓疾患・呼吸器系疾患・早産など全身のさまざまな病気に関わっていることが次々と分かってきています。

歯周病は自覚症状がほとんどなく進行してしまうことがあります。

早期発見・早期治療、定期健診、丁寧な歯磨きなどで歯周病を予防していきましょう。

 

最後に!歯周病セルフチェックをしてみてください!

□ 歯肉の色が赤い、もしくはどす黒い

□ 口臭が気になる

□ 歯肉が退縮して、歯と歯の間にすき間ができてきた

□ 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい

□ 歯みがき時などに歯肉から出血しやすい

□ 歯と歯の間の歯肉が丸く、腫れぼったい

□ 起床時に口の中がネバネバする

□ 指でさわってみて、少しグラつく歯がある

□ 歯肉を指で押すと膿が出てくる

□ 歯肉が下がって、歯が長くなってきた気がする

1つでも当てはまる方は歯周病の可能性があります。

3~5個以上当てはまる方は歯周病が進行しているおそれがあります。歯科医院で歯周病の治療を受けましょう。

歯周病に関して気になること、お困りの方はご相談ください。

顎関節症について

こんにちは、ときわプロケア歯科クリニック歯科医師の松下です。

本日は顎関節症についてお話したいと思います。

 

顎関節症の定義としましては、「顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節雑音、開口障害ないし顎運動異常を主要徴候とする慢性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包、靭帯障害、関節円板障害、変形性関節症などが含まれている」とされています。

つまり頬や頭の筋肉痛、口の開け閉めの時にカクッと音が鳴ったり痛みがある、口が開かなくなるなどの症状は顎関節症に含まれます。

 

原因によって異なりますが顎関節症の治療としましては、咬み合わせの調整やマウスピースの作製、中には外科的な治療と開口訓練が必要なものもあります。

また、顎関節症の方は日常生活における習慣や行動が増悪因子として働く可能性があるため、生活指導は症状の増悪や、発症、再発を防ぐ意味でも重要になってきます。

具体的には、筋肉や靭帯に負担がかかるため硬いものの摂取を避ける、顎関節に横からストレスが加わるので長時間の頬杖や睡眠時の態勢に気を付ける、脱臼のリスクがあるため急激な大開口を避ける、歯ぎしりやかみしめの原因となるストレスを減らすなどいうことになってきます。

心当たりのある方はまず日常生活を見直されてみると良いかもしれません。

 

余談ですが、福岡県で開業されている全国的に有名な筒井照子先生は「日常生活習慣の中で、無意識で行う様々な習癖がある。この些細な習癖が長期間に及ぶことにより、歯牙を移動し顎顔面系さらに全身において大きな影響を及ぼす。」とおっしゃっています。

頬杖や寝方の悪い癖が原因で顎や歯が押され、顎関節症になったり体の軸がずれ全身症状としても現れてくるという事実があるとのことです。

歯周病と糖尿病などの全身疾患は大きな相互関係があることは今では有名な話ですが、歯や顎のズレ一つで全身の骨格や健康状態に影響がでることもあり、小さな領域ですが口の重要性を改めて実感します。

 

今後は健康を考える上で、大きな要素として現在のご自身の口の中の状態に興味をもってもらえる人が増えたらうれしく思います。

それではまた次回です、レッツビー歯ッピー!

知覚過敏

こんにちは。
ときわプロケア歯科クリニック、デンタルコーディネーターの野澤です。

水道のお水や空気が冷たい季節になってきます。
知覚過敏のある方は、歯がしみてお困りかもしれませんね。
虫歯ではないのにしみてつらい知覚過敏はどうして起こるのでしょうか?

もともと、歯の表面はエナメル質という硬い鎧で覆われています。
ところが何らかの理由によってこのエナメル質が剥がれたりすると、内部の象牙質が露出することがあります。
象牙質には、歯の内部の神経の方につながる象牙細管という管が無数にあり、外からの刺激が伝わりやすくなります。
こうして知覚過敏が起きるのです。

知覚過敏への対処法としては、まず知覚過敏用の歯磨剤を継続的に使用すること。
これにより症状が軽くなることはよくあります。
露出した象牙質を覆うような処置をすることもあります。
歯ぎしりなどが原因となっていることもあれば、歯磨きの仕方に問題がある場合もあるのです。
知覚過敏かなと思ったら、まずご相談して下さい(‘ω’)

口腔がん

こんにちは!

ときわプロケア歯科クリニック 歯科医師の菊地です。

今日は、堀ちえみさんが公表したした事で話題となった口腔がんについてお話したいと思います。

 

口腔がんはお口の中に発生するがんで、歯以外のどこにでも発生する可能性があります。舌がん、歯肉がん、口腔底がん、頬粘膜がん、口蓋がん、口唇がんがあり、そのうち日本人に一番多いのが舌がん(約60~70%)です。

 

がん全体からすれば約1~3%と低い数値ではありますが、日本では毎年約7,000人が口腔がん(咽頭含む)で亡くなられています。この数字は年々増え続けています。

 

口腔がんの場合、初期は自覚症状がほとんどありません。痛みがある、食べ物や飲み物がしみる、違和感がある、首のリンパ節が腫れる、なかなか口内炎が治らない、といった症状が出てきたときは、すでにがんが進行している状態です。

目に見える症状として、舌や粘膜の変色があります。ほかにも、しこりがある、ざらざらした突起・潰瘍、口の中の痛みしびれ感、物が噛みづらい、飲み込みにくい、話しづらい、顎や舌を動かしにくいなどの症状が現れます。

口腔がんの主な原因としては、

・生活習慣(喫煙、飲酒等)
・歯列不正(歯並びが悪い)、義歯不適(入れ歯が合わない)
・う蝕(虫歯)・歯周病、詰め物・被せ物不適
・舌小帯付着異常
・口内炎(10日くらい経過しても治らない場合は要注意)
・ウィルス感染

などが挙げられます

気になることがあれば一度ご相談ください。。

シーラントの効果

こんにちは!
ときわプロケア歯科クリニック 助手の新山です。

今回は、シーラントについてお伝えしたいと思います。

まず初めに、乳歯や生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすく、虫歯になると早く進行してしまいます。また、奥歯の虫歯は、お父さん・お母さんも気づかない場合が多いので、3〜4ケ月に一度は定期検診を受けることをお勧めします。

子どもの6歳臼歯の歯の溝はとても深く、虫歯の始まりはこの溝からが一番多いのです。
食事をするときに一番活躍するこの歯は、歯ブラシが届きにくいために汚れがたまり、虫歯になることが多く最も寿命の短い永久歯の一つでもあります。
そこで、この溝をフッ素を配合した樹脂で埋めることで浅くして、虫歯になりにくくする処置がシーラントです。

シーラントをすると2年間で98%虫歯にならないという結果報告もあります。
生えたばかりの歯は表面が未成熟で弱く、その後、唾液中のカルシウムなどを吸収して年月とともに強くなっていきます。
ですから、同じ永久歯でも大人と子どもでは歯の強さが違います。
それだけ子どもの歯は虫歯になりやすいのです。

大切なお子さんの歯を、一緒に守っていきましょう!

入れ歯について

こんにちは!
ときわプロケア歯科クリニック、デンタルコーディネーターの中村です。

むし歯や歯周病などによって歯を抜いてしまった場合、抜いた部分を補填する治療方法には、ブリッジ、インプラント、入れ歯があります。

今日はその中の部分入れ歯についてお話します。

部分入れ歯は、1本歯が欠損している場合〜1本歯が残っている場合に入れることができ、残っている歯にバネをかけて安定させます。

部分入れ歯のメリットは周りの歯を削る量が少ないというところですが、デメリットも沢山あります。

・取り外して清掃を行う
・噛む力が減り、噛みにくくなる
・バネが見えて、入れ歯だと気づかれてしまう
・バネをかける歯に負担がかかり、むし歯や歯周病のリスクが高まる

などがあります。
しかし部分入れ歯にも色々な種類があり、金属のバネがなく目立ちにくいもの、バネをかけるのではなく被せることで動きにくく噛み心地の良いものなどもあります。
その方の残っている歯や、歯ぐきの状態やご希望に合わせてご相談していきますのでご安心ください。

カウンセリングルームで患者様とお話をしていると、歳をとると必ず入れ歯になると思っている方が多いように感じますが、そんなことはありません!!
80代で全てご自身の歯が残っている方も多くいらっしゃいます。

入れ歯にならない様に今ある歯を一本でも多く残すために、予防や早期発見、早期治療がとても大切です。
もし入れ歯を入れる事になってしまっても、一本でも多く歯が残っていると入れ歯の安定感や、残っている歯への負担も変わってきます。
定期的なメンテナンスを行い、大切な歯を守っていきましょう。

くさび状欠損

こんにちは。
ときわプロケア歯科クリニック、デンタルコーディネーターの野澤です。

くさび状欠損とは歯の根元が欠けてくる症状で、歯ブラシの磨耗によってできる場合と、歯ぎしりや食いしばりのような強い力によって歯の根元の部分の歯質が割れて剥がれることによってできる場合があります。

特に、大きな要因は歯の「くいしばり」です。
くいしばると、歯に大きな力がかかり、根元のあたりにその「ひずみ」が集中します。
こうした力が繰り返しかかることによって、歯の結晶にごく小さなキズが発生。
そこを、ゴシゴシみがき過ぎると歯が削れてしまうのです。
かみ合わせが悪く特定の歯に力がかかる人、スポーツ選手、寝ている時に歯ぎしりをする人などがこの状態になりやすいといわれます。

こうした人は、気付かないでいると歯がパックリと割れる危険性もあるのです。
原因を取り除き、欠けた部分には虫歯をつめる材料で補填することで治療します。
放っておくと、食べ物がたまって虫歯になりやすくなったり、知覚過敏の症状がでることがあります。

くさび状欠損タイプの人の対処法
◆かみ合わせが悪い人は・・・バランス良くかむよう気をつける。食べる時以外に上下の歯を接触させない。かみ合わせ治療を受ける。
◆歯ぎしりをする人は・・・就寝時にマウスピースをする。
◆正しい歯みがき・・・硬い毛の歯ブラシを使わない。みがくときに力を入れすぎない。

お口の中に気になるところがあった方は、当医院へご相談ください。

フルオロアパタイトについて

こんにちは、ときわプロケア歯科クリニック歯科医師の松下です。
本日はフルオロアパタイトについてお話したいと思います。

虫歯の予防にはフッ素が効果的だということは皆さんご存知だと思います。
ではなぜフッ素にはそのような効果があるのでしょうか。

歯のエナメル質はヒドロキシアパタイトという結晶体でできています。
しかし、その構造は結晶格子中に多数の置換がみられCa2+(カルシウムイオン)やOH-(水酸基)イオンが欠落するなど多くの欠陥があります。
これらの結晶の不完全さが酸に対するエナメル質の溶解性を高めており、フッ素にはこの弱点を補強する働きがあります。

フッ化物の局所応用法の中の一つにフッ化物塗布法というものがあります。
これに使用されるフッ化物濃度は9,000ppmと高濃度でありエナメル質表面に一時的にフッ化カルシウムが生成されます。
(ちなみに歯磨き粉のフッ化物濃度は1,000~1,500ppmです。)
その後フッ化カルシウムが徐々に溶解しながらフッ化物イオンを放出します。
このフッ化物イオンが再びエナメル質に作用しフルオロアパタイトを形成し歯質は強化されます。

化学式にすると
Ca10(PO4)6(OH) + 2OF- → 10CaF + 6PO4- + 2OH-
CaF2 → Ca2+ + 2F-
Ca10(PO4)6(OH)2 + 2F- → Ca10(PO4)6F2 + 2OH-
となります。

簡単にいえば、歯の結晶構造の穴をフッ素が置き換わり埋めて、より壊れにくい結晶構造になり、酸にも溶けにくくなるということですね。

ぜひ皆さんも日常生活もフッ化物のことを意識してみてください。
ではまた次回です、レッツビー歯ッピー!

フレイルってなに?

こんにちは。札幌市南区にあります、ときわプロケア歯科クリニック 歯科医師の今多です。今回は、フレイルという言葉について触れてみたいと思います。
日本が超高齢社会と言われて久しいかと思います。超高齢社会とは、65歳以上の人口の割合(高齢化率)が 全人口の21%を占めている社会のことを指します。日本は、2007年に超高齢社会に突入しました。2025年には高齢化率は30%を超えると見られています。

ここで、良く触れられるのが平均寿命と健康寿命です。平均寿命は日本人の所謂平均的な寿命を表し、健康寿命は元気に自立して生活できる期間を表します。この差はつまり、要介護状態や寝たきり状態ということになります。そしてこの差は、日本人の男性では約9年、女性では約12年と言われています。

話を本題に戻しましょう。フレイルという言葉は、簡単に言うと「虚弱」です。体がストレスに弱くなっている状態で、早く介入をすれば元に戻る可能性があります。フレイルを健康寿命と平均寿命の丁度境目と考えるとどうでしょうか。フレイルの基準として例えばこのようなものがあります。

  • 体重減少:意図しない年間4.5キロまたは5%以上の体重減少
  • 疲れやすい:なにをするのも面倒だと週に3〜4日以上感じる
  • 歩行速度の低下
  • 握力の低下
  • 身体活動量の低下

フレイルの状態では風邪を悪化させて肺炎になる、転倒して骨折するなど入院のきっかけとなるイベントが起こりやすくなります。それにより寝たきりや要介護の原因となり得るのは容易に想像つくでしょう。

歯科の観点からフレイルを予防しようとした時、それはやはり健康な口腔内環境で様々な種類の食べ物をバランスよく食べるということになります。歯がない状態を放置したり、歯周病に罹患しているにもかかわらず放置したり、あるいは虫歯を放置することによって歯がどんどん小さくなっていく…そうすると満足に食事出来ず(栄養のバランスという意味で)、虚弱へと繋がっていくと考えられます。ですので、いましっかりと歯がある方は今の状態を維持し、残念ながら歯が少なくなってしまっている方は更に歯を失うことのないようにしていく必要があります。治療が必要な状態の方は、今必要な治療をしっかりと受け、その後は定期検診を受診することをお勧めします。

いかがでしたか?テレビにフレイルという言葉が出てきたら、是非どんな内容なのか見てみて下さいね!